災害危機管理部門

洋上救急

当施設では、1985年から日本水難救済会の要請により、洋上で起きた救急事案に対して医師を派遣している。2012年までの出動人員は、のべ216名(医師207名、看護師6名、救急救命士3名)であった。

洋上救急は、海上保安庁特殊救難隊によって患者を船から救助し、ヘリやジェット機によって空港へ搬送、空港から病院まで迅速に送り届ける。

狭く騒音が大きいヘリコプター内での中での診察や、限られた医療資機材による診断と治療、長時間に及ぶ搬送に加え、患者の多くが外国人であることから、非常にチャレンジングなミッションである。

国際緊急援助隊

日本は、海外で大規模な災害が発生した場合、被災国の政府または国際機関の要請に応じ、直ちに緊急援助を行える体制を整えている。これが国際緊急援助隊医療チームだ。当施設は医師だけでなく、多くの看護師や医療スタッフが登録している。最近では、2013年のフィリピン台風被害や2015年のネパール大地震など、海外の災害現場で活動している。

IMAT (Incident Medical Assitance Team)

当施設は警視庁と協定を締結し、「事件現場医療派遣チーム」(警視庁IMAT)の運用を行っている。この協定は、バス、船舶等の乗っ取り事件や凶器を使用した人質立てこもり事件などの発生現場において被疑者の確保等に伴い傷病者が発生するおそれがある場合に、警視庁からの要請を受けて当施設から医療チームを派遣。傷病者が医療機関に緊急搬送される間の応急治療を行うことを目的としており、警察と医療機関がこうした協定を締結するのは全国初である。

DMAT (Disaster Medical Assistance Team)

DMATとは、医師、看護師、業務調整員で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、早急に対応できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームである。広域災害に対しては日本DMAT、局地災害に対しては東京DMATがあり、多くの医師が隊員として登録している。東日本大震災をはじめ、多くの災害現場で活動した。